「ゼロ」は美しいか?

   以前のブログで、零戦より彩雲が好きになったと書きましたが、「零戦」を美しい飛行機だと思う気持ちに変りはありません。

   20代以降の世代には、零戦を知らない飛行機ファンもいるのでしょうか? 

 零戦は旧日本海軍の零式艦上戦闘機、略してゼロ戦・れい戦とも呼ばれ、アメリカ軍が付けたコードネームはZeke:ジークです。「紫電改」や「雷電」のような愛称はありません。

  日中戦争から第2次世界大戦初頭に於いて、瞬間風速的に当時の世界標準を出しぬいた高性能とその戦果は、国全体の冷静な状況判断を狂わせます。日本史上最高の1万機を越えて生産された殆ど全てが、空を愛する有能な若者の未来を道ずれにして、帰ってきませんでした。

   設計主任を務めた堀越二郎氏は、戦後「ゼロ戦は好きではない」と言ったそうです。宮崎駿氏はアニメ「風たちぬ」の中で、設計家:カプロニ・カンピーニ氏の言葉を借りて「飛行機は夢だ、呪われた夢だ!」と唱えます。

  何時の時代でも、最先端技術は経済的制約が希薄な軍事技術に集約されるのが、悲しくも歴史的事実です。高性能を一途に追求する軍用機は美しいのです。空を飛びたい、という素朴な夢の先に見えるのは、美しい殺戮の道具なのです。

   空への憧れと武器とのジレンマに悩み、自己撞着を抱えたまま、自分なりの解を探りながら生きて行くしかありません。 

  それでも、人間が創りだしたモノの中で、最も美しい機械は飛行機だと思います。平和な空を、美しい「翼」で飛べる幸せに、感謝しなければなりません。  

ミルトマップ木工房

心やさしき、人々へ~。 あなたの椅子とテーブルを、ミルトの森から~。 あなたの夢を、新篠津の空から~。

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