「スマホ」から見る「世界」って!?

 あの小さな画面から見る「世界」と書物をはじめとする多様なデバイスから見聞きする「世界」。入り口は同じでも視点の広がりと深さは、見る側の意識と知的能力さえも限定してしまう。 

  PC不要を唱えスマホのみで情報を得ると豪語する、著名な「元:IT経営者・元受刑者」がいます。彼の斬新な視点と自由な発想、大胆な行動力は、賞賛すべき点も少なくない。彼が大切にする「個人の自由」は、私も同様に最も大切にするもののひとつです。しかし彼の主張の一部には、近視眼的な視野狭窄を疑わせるものがある。塀の中で読んだ書1000冊(以上…?)とは、どんなジャンルだったのでしょう。

 郵政民営化に代表される「小さな政府論」や完全自由貿易を求める「新自由主義:グローバリズム」について、「コロナ・ショック」や絶望的な格差拡大によって顕在化している綻びと矛盾を、どう説明しどう解決しようと言うのだろうか。

  日本の公務員の数は、先進諸国の中で最低です。これ以上「小さな政府化」が進行すると、前例主義・申請主義に硬直化した行政全般を更に悪化させ、ひいては人類が営々と築き上げた「優しさ」に因る一体感を、弱肉強食に因る群れへと退化させる道に繋がりかねない。それが、「新自由主義=マネー資本主義」の目論む終着点です。少数の成功者が圧倒的多数の犠牲者を見下ろす、進行中の悪夢です。

  日常の全てを「スマホ」に頼る情報収集と思考態度には、歴史に学ばない権力者と同様な、一面の合理性のみを主張して我田引水を図る病癖の臭いがする。

 全ての機能を手のひらの中に納めたと勘違いするのは、自然の摂理にたいする傲慢さです。  

 頑なに守り通した「ガラケー」を、諸般の事情で「スマホ」に換えて感じた事を書き連ねました。5年後に自分がなんと言っているかにも、興味がある。 

ミルトマップ木工房

「ミルトマップ」は、この地:美流渡の語源とされるアイヌ語です。 心やさしき、人々へ~。 あなたの椅子とテーブルを、ミルトの森から~。

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