希望の翼: TMG(Touring Motor Glider)

 「SF-25:ファルケ」は、1963年に原型機が初飛行した、ツーリング:モーターグライダーです。エンジンや降着装置の形式を更新し、鋼管羽布張りの古色蒼然たる基本構造を変えないまま、1200機を越えた現在も、生産が続けられる世界のベストセラーです。

  真っ青な空を見上げ、飛行機雲を追いかけた、あの頃…。「空飛ぶ機械=飛行機」を自分の翼として重力から解き放たれ、好きな時に好きな処へ飛んで行く、そんな「夢」を見る少年少女は、今でも決して少なくないはずです。

  しかし、最も低コストな軽:飛行機の代表「セスナ」でも、現在の日本に於いては経済的に余裕のある一部階層の特権的趣味となっています。しかも、世界一厳格で狭量な日本の「航空法」では、原則:飛行場以外で離着陸することは出来ません。制約は他にも少なくありません。

 既に世界の潮流となっている「LSA」Light Sport Aircraft を日本が適法化するのは何時になるのでしょう?

 しかし「滑空機」に分類される「モーターグライダー:動力滑空機」の運用自由度は、日本に於いては奇跡的ともいうべき範囲に広がります。原則、離着陸する場所に制限はありません。滑空場はもちろん、バブルの遺産として悪名高い「農道空港」や、ラインの発着する空港、更に条件さえ整えば河川敷での運用すらも可能です。しかも、運航コストは飛行機を大きく下回ります。

 空を飛びたいという純朴な「夢」に最も近い翼として、「TMG:ツーリング・モーターグライダー」の更なる活用拡大(例えば、少年少女に無償訓練を提供…。)に期待するしかありません。

 (今年1月の投稿:再掲)

誤解を恐れずに訊ねます。

 今この時、「ジェネアビ」で空の素晴らしさを堪能している「貴方」は、現在の「惨状」に忸怩たる思いを抱かないのですか? このままでいいのですか…? 翼は本来もっと大きな自由を、人間に与えてくれる魔法の杖です。

  刹那の自己満足や優越感や既得権に満足し、初めて空を見上げた時に感じた憧れを、どこかに置き忘れてしまってはいませんか…? 特権意識や功利主義に囚われ、空に憧れる多くの若い仲間を遠ざける仕組みに加担していませんか…? それは巡り巡って、今ある環境を縮小させている事にも、気づいてください。

  空を飛ぶことの素晴らしさを、より多くの仲間と分かち合いたいと思うなら、例え既得権を手放してでも、航空界の永続的発展の為に、突拍子もないアイデアを考えてみませんか…?

 空のスポーツが、富裕層の贅沢や特殊な趣味人の遊びである限り、この国の航空界の後進性は、変わりません。失敗談を丁寧に伝えるのなら未だしも、昔の自慢話は「百害あって一利無し」です。後退し縮小している現状を、追認することに他なりません。




 




ミルトマップ木工房

「ミルトマップ」は、この地:美流渡の語源とされるアイヌ語です。 心やさしき、人々へ~。 あなたの椅子とテーブルを、ミルトの森から~。

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