三菱のスペースジェット撤退(失敗)と比較され、改めて「NONDA JET」の成功要因が取りざたされています。
航空機:開発には中核となる「神」が必須とする言説を目にしました。確かに「ホンダエアクラフト」のCEO:藤野氏は、独創を実機に昇華させ、バブル崩壊を乗り越え、本社経営陣を説き伏せ、ビジネスにまで導いた「神」であり、彼無しに今の「ホンダジェット」はあり得ません。その瞳の輝きは、飛行機好きな少年そのものでした。私ごときの質問にも、柔らかい口調で丁寧に説明してくれました。
私が注目するもう一つの要因は、ホンダが「ASIMO」や「eVTOL」同様に、その開発資金を公金:特に軍事費に頼らないことです。それは、発想の自由を担保する最も重要な要素です。
piper PA-18 super cub と並ぶ、ホンダ スーパーカブ
如何に藤野氏の情熱・信念が強固だとしても、世界中に技術の恩恵を届けることを「喜び」とした「本田宗一郎の魂」が生きる「本田技研」本体の支えが無ければ、今日の成果はあり得ません。そして、その「本田技研」を支えているのは、世界中のホンダユーザーです。特に1億台の生産数を誇る「スーパーカブ」のユーザーこそがその中核です。
ホンダジェット搭載のHF-120と、先駆けて開発された「レシプロエンジン」、更にプッシャータイプの2重反転プロペラ(ファン)を駆動する「ターボプロップ」に、半端じゃない本気度とホンダの面目躍如というべき自由な発想が見えます。
「The Power of Dreams」本田宗一郎が夢見ていたのは、誰の手にも届く空飛ぶ機械です。
「LSA」や「UL」より簡便で新しい発想の航空機が、妄想の中で羽ばたきます。
0コメント