Back to the Future#3 又は:空へ~再び(その1)

 1975年:調布飛行場、富士FA-200 エアロスバルと、飛行機乗りを夢見て全国から集まった貧乏:訓練生たちの顔・顔・顔…。半世紀前、日本の空には、未来に開く大輪の「夢」が描かれていた。

 当時は、先の大戦で一旦滅んだ国を20年で復興させた「力」と「自信」がみなぎっていた。その「力」と「自信」は、一体どこから来たものだったのだろう。そして、その「力」と「自信」は、何処へ行ってしまったのだろう…?

 多種多様な意見・様々な考え方に触れたが、最も自分を納得させるのは、この国の根本的な「豊かさ」がその源であるということ。地球全体を俯瞰する視点を得た現代に於いて、それは主に地勢学的な偶然がもたらした環境や気象条件に因るものだと実感できる。そしてそれは、人間の心得次第では、大きな「力」にも、馬鹿げた「浮かれ騒ぎ」にも成り得るということ。まして「民族の優秀性」などと勘違いすることは、卑しい傲慢さと結びつき、再び国を亡ぼす危険を含んでいることは、幾多の歴史に学ぶまでもない。

だからこそ、この国に生きるものとして、偶然の恩恵に感謝し、広く世界に還元することが責務だと考える。

 1980年、主な訓練基地:大利根飛行場にて

 この年、同期の訓練生:全員のパイロット資格取得を見届け、私を含めた大半が、職業パイロットの道を諦め、才能ある人々に夢を託して空への階段を下りた。

その直後から「バブル経済」に浮かれた20年で、日本は…? 航空界は…?

ミルトマップ木工房

「ミルトマップ」は、この地:美流渡の語源とされるアイヌ語です。 心やさしき、人々へ~。 あなたの椅子とテーブルを、ミルトの森から~。

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